2015年4月9日木曜日

監督をシーズン途中から引き受けるということ

途中からU11の監督を引き受けてから2ヶ月が経ちました。
上位対決を僅差で落とし、現在は4位に位置づけています。

さて、今回は途中から監督としてチームを率いることになり、気をつけていること、気がついたことを書いていきたいと思います。

まず、就任1週目にしたことは、選手を徹底的に分析すること。
技術レベル、戦術理解度、性格、フィジカルを数値化し、当時のポジションを鑑み、それがチームとしてどう機能しているのかを確認しました。
そこから、前任の監督の今までのトレーニングを確認し、これからの予定を立てます。

ただ、ここで気にしなければならないのが、就任2週間は選手からの信頼が無いということです。更に、私は彼らにとって外国人なので更に信頼が無いのは明白です。
信頼がなければ、この監督が勝たせてくれる監督なのか、自分を成長させてくれる監督なのか、選手たちもこちらを探り探りなので、トレーニングの精度、強度は下がります。

こそで必要なのが勝利です。

勝利をすることで選手の信頼を得ることが出来る。勿論、勝つことが全てじゃない。そう信じています。でも勝たなければいけないのです。それは、良いトレーニングをするため、残り少ないトレーニング期間を有意義にするために必要なことです(このメンタルはスペイン特有かもしれません)。

そこから導き出した答えは、守備戦術の徹底。
前任監督が採用していた1-3-2-2から1-3-3-1にシステムを変更し(相手も1-3-3-1)、中盤を厚く、守備陣系を整えやすいシステムにし、攻→守のプレッシャーのかけ方、相手がボールを保持している時の守備の優先順位を確認し、そこからボール奪取→速攻という流れを2週間で徹底的にトレーニングしました。
それにより、守備が落ち着き就任から2週間を2連勝で飾ることができ、選手の信頼を得ることに成功しました。



そこから、上位対決2連戦をFK1本でやられてしまいますが、選手たちには『守り切ることが出来る』という自信が付いたようで、私が守備の際に『Orden(整えろ)』という一言を発するだけで、守備陣系が整うようになってきました。

途中から監督を引き受けるという貴重な体験から得られたことは、自分の分析から得た答えを徹底してトップダウンで決め付けて、落としこむ方法もありだということ。
『この場面では、こう動いて、ここに立たなければならない。何故ならば、・・・』と、例外なくそれを実行しなければならない事を伝え、彼らの中に疑問が生じない様にしてあげます。
勿論、指導者としては他の選択肢があることも分かっているのですが、それを落としこむには時間がかかり、負けてしまってはその後の長期的トレーニングにさえ辿り着けない可能性(クビになる、選手の信頼を得られない)があるので、こういった方法を取り、とりあえず今のところ成功と言って良い成績を収めています。



1ヶ月半経った今は、再度残りの1ヶ月半の計画を立て直し、週末をきっちりと闘いながら、バランスの良いチーム、来シーズン(8人制→11人制)に向けて、選手がプレイしやすいようにトレーニングを考えていかなければなりません。

この経験がどう今後に役に立つかは分かりませんが、自分の中で一つ新しい指導メソッドを試すことが出来たのは大きな経験になりました。

残り1ヶ月半のシーズンを彼らと楽しみたいと思います!!

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